数か月前から左の親指が痛くて動かせなくなったと来院されたAさん。病院に行くと、左の親指をそらせる働きを持った筋肉の腱鞘炎と言われたそうだ。
Aさんの故障は「ドケルバン病」という短母指伸筋と長母指外転筋の腱鞘炎。この故障では、二つの筋を支えている伸筋支帯という靭帯が炎症の影響で縮む。縮んだ靭帯が腱鞘ごと腱を圧迫してしまうことで指を動かせなくなり、動かそうとすると痛みも伴うようになる。
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更新情報
機能障害の成因(4)関節機能障害成因のまとめ(運動療法の必要性)
徒手医学と機能障害-知っておきたい基礎知識6
【機能障害の成因】関節機能障害成因のまとめ(運動療法の必要性)
機能障害の成因として紹介したこれらの要素(1.組織の器質的変化)(2.神経制御不全)(3.筋力不足)が複合して関節機能障害というものができあがっていると考えてほしい。
しょっぱな私たちがやらなければいけないのは、多くの場合はまずこれ(1.組織の器質的変化)への対処で、特にこの中でも制限の解除、バリアを解除する、硬くなったものをまず伸ばして動かそうと思えば動かせるという準備をすることから始めるというのが多くのケースだ。 (さらに…)
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機能障害の成因(3)筋力不足
徒手医学と機能障害-知っておきたい基礎知識5
【機能障害の成因】筋力不足
もうひとつ、筋力の不足。たとえば立ち上がるという動作を考えても自分の体を持ち上げるだけの筋力が背中や足になかったらどうだろうか。立ち上がれない。
でも、レントゲンを撮っても寝た状態で動かしても、動きはあるわけで、機能もある、神経系統の働きもいい。単純に、筋力が足りない、という状況を考えても、機能は損なわれるということになる。 (さらに…)
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機能障害の成因(2)神経制御不全
徒手医学と機能障害-知っておきたい基礎知識4
【機能障害の成因】神経制御不全
もうひとつは、神経制御の問題もやっぱりある。
神経制御がうまくいっていない。たとえば麻痺ということを考えてみる。これは高次であっても末梢であっても、その効果器である筋肉たちを上手にコントロールすることはできない。身体中を調べてみると、不全麻痺と思われるような問題というのはあちこちに出てくる。筋出力的には、本来その目的の運動をするのに十分あるはずなのに、一部分の力が抜けてしまう。それの原因を追いかけていったら脊柱の機能障害だったというのもよくある。 (さらに…)
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機能障害の成因(1)組織の器質的変化
徒手医学と機能障害-知っておきたい基礎知識3
【機能障害の成因】軟部組織の器質的な変化-短縮と延長-
機能障害の成因をまとめてみたい。まずは「軟部組織の器質的な変化」であるが、これはどういうものか。
筋肉や靭帯、筋膜が縮んでしまった。腫れたりした後は組織が縮んでしまう。そんな状態で短い軟部組織ができ上がるとその短い組織が延ばされるような方向の動きが阻害されてしまう。そのような状態をバリア・制限という(短縮した組織による制限=バリア)。 (さらに…)
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機能障害とは
徒手医学と機能障害-知っておきたい基礎知識2
【機能障害とは】
機能障害とはなんであるか、ということを皆さんと共有したい。
例えば、簡単に言うと関節の動きが悪い、思った通りに動かない。だがレントゲンやMRIを撮っても画像的・視覚的には問題がないような状況を考える。例えば、二頭筋がグーッと縮んでしまったと考える。縮んでしまったら肘は伸びるか? いや、伸びない。肘を伸ばすという機能が障害されている。つまり、機能障害であるという意味合いになる。 (さらに…)
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徒手医学とは
徒手医学と機能障害-知っておきたい基礎知識1
「徒手医学」は、医学というからには、医療である。医療の定義とは、科学的な思考を元に行われる治療行為である。テクニック自体が医療なのではなく、科学的な思考を元に(テクニックを)駆使するのが医療である。
科学的思考とは、客観的な事実つまり所見を元に、論理的な思考-これがこうなるからにはこういう理由があるのだろう、という思考-をもとに考察を行って治療を行っていく、組み立てていくのが科学的な思考と言えるだろう。 (さらに…)
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これまでに開催した講習会一覧
参加者の声-徒手医学入門<ダイレクトテクニック>2019/2/24
実技メインがとても良い。 効果が体験できた。練習していきたい。 即効果が体感できてよかった。 日頃おこなえている手技がマッサージがほとんどだが、今日の講習を受けてこれから違ったアプローチができると思う。感覚をつかむのは難しかったですが、やり方は非常に丁寧に教えて頂けたので次からの臨床に実践できそうです。効果があり、可動域が大きく変わったため驚いた。肩関節の疾患、可動域制限による障害へのアプローチのやり方が身についた。変化を感じることができた。後期高齢者に対するアプローチが本日学習した筋膜リリースで対応できる。施術をおこなう際の体の置き場所や体勢の重要性を再認識できました。筋肉をとらえられている感覚が分かりやすかったです。ゆるんだ感覚などがはっきりわからないことも多かったが、評価・再評価とくり返していくうちに分かるようになった。
[ダイレクトテクニック]講習会案内をチェックする→
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トレーナー・治療家と学生のためのウエイトリフティング体験会~2019/1/20(埼玉)
機能回復のための必須3ピースを (1)バリアの解除 (2)コーディネーション (3)ストレングス と当会では位置付けています。機能回復という視点からとらえると、ストレングスは屈強なスポーツマンにだけでなく私たちの臨床で接することの多い身体機能の弱った高齢者や故障者にこそ提供されるべきものです。今、私たち治療家や運動指導者にもっとも求められているスキルは<運動を治療として展開できるスキルである>と言っても過言ではないでしょう。体験会で取り上げるウエイトリフティングは、高重量を挙上することが目的ではありません。ウエイトリフティングというスポーツの競技動作がもつ、身体機能を高い水準で効率化しかつ強化できるという利点を体験者自身で体感していただくための講習会です。臨床で実際に治療として活用している事例を織り交ぜながら、即時的に起きる可動性の変化を紹介します。運動を機能回復の必須ピースとして治療に活かすための技術を共有しましょう。
開催日時2019年1月20日(日)13:00~15:00プログラム
臨床での活用例の体験
リフティングで活用される倍力機構の実験
リフティング実技
適...
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治療に直結する徒手医学入門<ダイレクトテクニック>2019/2/24
<ダイレクトテクニック>技術の幅を広げる軟部組織の物理特性の臨床活用
日時
2019年2月24日(日)10:00-15:00(昼休憩1hあり)
概要
●臨床に沿った座学&実技プログラム初学者でも自信をもって結果を出せる実践1Dayセミナー。手技療法の基礎から疾患に対応する実技まで。治療の可能性を拡げるダイレクトテクニック(直接法)を学びます。
本講では、紹介する技術ごとに適応疾患を提示し、理論背景の理解にも配慮した座学と併せて学習できるように構成しています。初学者はもちろん、ベテランの技術の幅を拡げる内容です。
■適応症例
適応症例
習得技法
脳低循環不全・浮動性めまい・霞眼
筋膜リリース(コラーゲン繊維におけるクリープ現象の臨床応用)
ジャンパーズニー
筋膜リリース(コラーゲン繊維におけるクリープ現象の臨床応用)
伸展型腰痛・アキレス腱炎・踵骨痛
ストリッピングテクニック(クロスリンクの切離…癒着・線維化への対処)
肩峰下インピンジメント症候群
DTM(クロスリンクの切離-癒着・線維化への対処)
突き指
関節モビライゼーション(ジョ...
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参加者の声-腰痛治療の要点|2018/11/10
本日の臨床技術研究会では、腰痛治療に欠かせないポイント-機能障害を引き起こしている最大の要因を洗い出し、障害要因を解除するための手技による介入-を学び、実技練習を行いました。
▸今後に生かせる点
「形を読み、機能を読む」
骨盤帯の評価
骨盤隔膜へのアプローチ
腰痛に対する評価の優先順位
姿勢偏移のパターンと各所とのすり合わせはとても参考になりました
起きやすい体壁の理解と手の入れ方
見るべきポイント
▸課題
評価
出てきた問題点への介入
HVLA
失敗を恐れず、次の手を出していく
初期評価で、最大の問題点をあぶりだせるようにする
脊柱・仙腸関節への評価はまだ整理できていないと感じました
▸臨床でやってみたいこと
骨盤隔膜のリリース
脊柱・仙腸関節への評価を現場でも行っていきたい
⇒セミナー情報
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腰痛治療に強くなる!腰痛症のロジカルマネジメント~機能評価/治療手技/運動療法~2018/12/2(大阪)
腰部に生じた疼痛を機能障害として理解し、痛みの根本要因の評価技術から除痛までを網羅する1Dayセミナー。
本講では、当会オリジナル治療手技である「スイッチバックテクニック」と「フラット」を実習します。さまざまな病態を呈する腰痛症に対しての実態を明らかにし、迷わずに治療を展開するための軸となる評価プロセス(姿勢動作分析・検査)の紹介から、評価結果を治療へ変換するためのロジカルな思考方法と機能改善アプローチであるSBTとFRATを実習します。臨床に直結した論理的かつ立体的な腰痛症への実践手法を学びます。
【腰痛症のロジカルマネジメント】機能評価と手技治療「スイッチバックテクニック」「フラット」
開催日時
2018年12月2日(日)10:00~16:30
プログラム
評価:筋膜由来の疼痛の検出法/関節由来の疼痛の検出法
治療手技:筋膜への治療手技/関節への治療手技
適応症例
関節由来の腰痛症:腰部椎間板ヘルニア、椎間板症、腰部脊柱管狭窄症、腰部椎間関節症
筋膜由来の腰椎症:種々のトリガーポイント由来の腰痛
内容
「臨床のつまづきを突破したい-。」
-そのために、治...
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2018年徒手医療協会『臨床実習』@横浜市/神奈川県パワーリフティング選手権大会
【徒手医療協会臨床技術研究会×神奈川県パワーリフティング協会】
パワーリフティング選手権大会コンディショニングブースにて選手へのパフォーマンスチューニングを当会QP会員が担当!
真剣勝負の試合会場で選手個々の特性を見きわめながら最適なコンディション「=より動きやすい身体」へと調整します。
■概要
●開催日程:
◎研修会 ①9/8(土)20:45-21:45 ②9/9(日) 10:00-15:00
◎臨床実習 (神奈川県パワーリフティング協会様HP)
◆09/17(月祝)10:00-15:00(横浜市パワーリフティング選手権大会)
◆11/18(日)10:00-15:00(神奈川県パワーリフティング選手権大会)
●参加資格:臨床技術研究会QP会員
●参加費 :無料
●臨床実習:大会の特設ブース「ファンクショナルパフォーマンスチューニング体験会」の施術員として活躍していただきます。当日はスタッフとして開設から選手ケア、撤収までを行います。
●開催会場:横浜市神奈川スポーツセンター(神奈川区三ツ沢上町11-18)
●当日持ち物・服装:...
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徒手医学入門シリーズ第2期STEP1|2018/8/26
[第1回]評価から介入に至るしくみの理解と手技スキル-臨床への道を拓くベーシックナレッジ
日時
STEP1:2018年8月26日(日)10:00-14:00(各昼休憩1hあり)
内容
徒手療法における基礎知識を学習し、実際に臨床で用いられているさまざまな手技を体験します。わかりやすい解説で、施術上の判断基準・指標を理解し、的確な評価と介入手技を臨機応変に選択できるようになります。はじめて手技にふれる方にはもちろん、徒手療法をさらに深堀りして臨床で活用したいベテランセラピストにも、その応用の要となるベーシックナレッジを紹介します。
※2018年4月22日の再開催となります
プログラム
適応症の理解
関節機能障害とは
「痛い」という訴えのどこを診るのか ~疼痛に対する視点の整理~
評価学の基礎知識 ~評価基準と運動連鎖・筋膜連鎖の理解~
手技療法のしくみの理解と技法体験 ~構造的アプローチと機能的アプローチ~
受講料
第1回¥6,000|徒手医療協...
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