伸展型腰痛(胸郭伸展制限由来)のデモンストレーション


伸展型腰痛(胸郭伸展制限由来)のデモンストレーション

「トリガーポイント由来の腰痛」をテーマとした講義(2013/10/27)より抜粋。
介入自体は01:45から6分ほど。8分目ごろより解説が始まります。
(講師(代表古川)の「実際の治療風景が見たい」とのご要望にもお応えできる場面ともなっています)

【映像解説】

時折「このテクニックであれば何日間痛みを止められるのか?」といった質問を受けます。
この回答となるかは定かではありませんが、私は「テクニック自体が痛みを消す力を持つものではない」と考えています。

そもそも、痛みは日常で頻回に取られる姿勢や動作によって癖付いた筋膜などによって、力学的負荷の偏在、関節する骨同士の回転中心が狂うなどの異常運動が生じ、
過負荷にさらされた組織に損傷を生じたり、過緊張に陥って循環障害をきたしたりするなどの経緯で発せられます
(もちろん他にも痛みが生じるシチュエーションはあるでしょう)。

これゆえに、痛みを止めるには、傷害局所への負担を除くために、局所を含む「全体の機能」を正常化すること(力学的負荷の最適な分配ができる状態を導き出すこと)が大前提となると思います。

つまり「傷つき痛む環境を正す」ということです。
力学的な負荷が正しく分配されるならば、組織は正常な修復の過程を進むことができます。
また、正常な成長を遂げることもできます。

テクニックはそのための道具にすぎません。
そして、道具の効果を引き出すには、適材適所、最適な使い分けがなされることが肝要です。
そのために、治療の際に最も重要なのは「評価」だということになります。

結論に戻りますが、テクニックはその評価に基づいて展開されるもので、残念ながらそれ自体が「万能薬」のように各所の痛みを取り去ってくれるのでは無いものと考えられます。
また、効果の持続は個々の状況に左右されるため、テクニックを基盤としてその効果の持続を論じることは難しいのではないかと思います。

このセミナーの一場面を切り取った動画は、こういった私の考えも伝わる内容だと思われましたので、
ご紹介する映像としてはやや長いのですが、デモンストレーション全体をそのままアップした映像をご紹介させていただきます。
みなさんの現場での一助となれば幸いです。

(解説文:代表 古川容司)

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